恩田陸の性差別発言に抗議します。(4)

 けっきょく「月刊COMICリュウ」編集部からも徳間書店からも何の反応もありません。いまだに「月刊COMICリュウ」公式サイト内の『ひなぎく純真女学園』のコミックス紹介ページには恩田陸の性差別的推薦文が掲載されており、当方の抗議は黙殺された形となりました。

 さて、『ひなぎく純真女学園』の「推薦文」には抗議しましたが、その一方で「コミック百合姫」にも「男子禁制!」というキャッチフレーズが用いられています。なぜそちらには抗議しないのか? という疑問をもたれたかたもいらっしゃるかもしれませんので説明いたします。

 まず、「男子禁制」という言葉自体は、「差別」ではなく「区別」にあたります。異性愛者が同性愛を拒絶するように、同性愛者が異性愛を拒絶するのも当然の権利であるからです。それでも、書店で購入するにあたって身分証明書を提示する必要などありませんから、現実的には何の強制力もありません。

 しかし、恩田陸の「推薦文」を改めて引用すると、

男子なんかに萌えさせない! この可愛さ、分かるのは正しい女子だけ!!

 ここでは、百合漫画を読むという行為だけでなく、それを読んで“萌える”ことまで禁じています。

 これは、明らかに内心の自由を侵害する行為です。

 漫画を読んで、どのような感想を抱くかは読者の自由です。もちろん、それを文章にして発表すれば「評論」になりますから、それについての「反論」も可能ですが、ただ“萌える”という単純な心理そのものを否定する権利は、誰にも(たとえ作者であっても)ありません。

 加えて、百合という「性的指向」によって、百合漫画に“萌える”という「性的嗜好」を貶めることはできません。「指向」と「嗜好」は異なるカテゴリーですので、序列化することができないためです。そのように、本来であれば序列化できないものを恣意的な基準によって序列化することこそが「差別」です。

 個人の権限として認められるのは「拒絶」までであり、他者の心を「侵害」する権利は誰にもありません。

「読むことは認めるが“萌える”ことは許さない」というのは、「精神的な同性愛は認めるが肉体的な同性愛は許さない」「同性愛そのものは『健全な性的指向』だが同性間のSEXは『不健全な性的嗜好』だから抑圧すべし」などと同じ詭弁です。恩田陸の発言は、ホモフォビアの裏返しの「ヘテロフォビア」に他なりません。