“にし「バカ」あきら”登場!

 皆さんもお気づきのとおり、『なぜ男が「百合」にハマるのか?』宛てのメールフォームは、クリックすればすぐに開くような形ではなく、わざわざブラウザにURLを貼り付ける形にしてあり、さらには送信者の情報を取得できるように設定してある。ろくにサイトの内容を読みもせず、嫌がらせとしか思えない非常識なメールを送りつけてくるバカがいるので、あえて敷居を高くしているのだ。

 それでも送ってくるのはよっぽどの覚悟がある人だろうな〜……と期待していたのだが、やはり愚にもつかない難癖を付けてくる暇なバカはいるもので、今日も「にし あきら」と名乗るバカが無礼極まりない長文を寄越してきた。

 全編に亘って「自分と異なる作品解釈はすべて潰してしまわないと気が済まない」という暗い熱情に満ち満ちており、蒸し暑い初夏にうってつけの寒々しい怪文書となっている。

Ossie様
 
はじめまして。
 
ガールズラブサーチから、お邪魔して、興味深く拝見させていただきました。
 
丁寧で分かりやすく、全体的に共感できたのですが、
タカハシマコのマンガについての解釈に誤りがあるのが
どうにも気になったのでメールしました。
 
「中でも『彼女の隣』。
 
主人公の少女は、
彼氏の“元カノ”に対して密かに憧れを抱く。
「事実、主人公が「恋人」として選んだのは、
“元カノ”ではなくあくまでも“彼氏”の方だ。」
 
サイトの文を引用させていただきます。
 
多分、あまり丁寧に読まれていないのかと思いますが、ここからまず解釈が間違っています。
この作者のマンガはどうも読み辛いですが、
マンガ内の時間軸は、「まず一番最初に、主人公があるなんの面識もない少女に恋をし、彼女に近付く手段として、その彼氏を好きでもなんでもないのに利用する為奪った」、という流れになっています。
つまり、憧れなどではなく、その「彼女」に対する
彼女自身を傷つけてでも手に入れようという身勝手な恋心がすべての始まりです。
 
「そして“元カノ”も、
主人公の「罠」にあっさり引っかかって
誘き寄せられてしまうことからして、
いまだに“元彼”への未練を断ち切れずにいる。」
 
元カノのほうはノンケなので当たり前です。
百合物が全て両想いでないといけない、ということはないでしょう?
 
「結果、主人公の“元カノ”に対する感情は、
何の意味もない、気味の悪いものとなっている。
どうしてあの主人公は、
“彼氏”の携帯電話を無断で借用までして、
何の面識もない“元カノ”を呼び出す
なんていうマネをしなければならなかったのか。
彼女にとって主人公はたんなる泥棒猫にすぎない。
「友達以上恋人未満」どころか「友達」ですらないのである。」
 
主人公の元カノに対する感情は、気味が悪く歪んだ物になっていますが、間違いなく恋愛感情です。
嫌われ、罵られようと近寄ろうとする様は、
マゾヒスティックでもあります。
まるでストーカーのようにしか見えない、とおっしゃられていましたが
まさに主人公はストーカーだったのだと思います。
異性愛によってなりたった三角関係、とありますが
この彼氏はそもそも主人公にはカボチャかイモくらいにしか見えておらず、恋した少女に近寄る為なら
そんな男とも平気で寝る恐ろしい主人公に
いいように利用された哀れな男、という描かれ方がされているため、
ちっとも異性愛が中心、という風にはなっておりません。
 
そもそも、このマンガのことを正確に読解されていないようだったので
細かく突っ込むのも野暮かなあと思いましたが、
批評のような形で書かれている以上、こういった間違いは
非常に読んでいて痛ましいのでメールを送らせていただきました。
内容に深くつっこんだ文を書くのであれば、もう少し
丁寧に読まれた方がいいかと思います。
 
ちなみに、わたしは百合姫では森島明子林家志弦くらいしか
好きだと思える作品がないので、決してこのいびつな
タカハシマコの世界が好きなわけではないことを述べておきます。
 
こちらのサイトの文章には、百合についての考え方、
春夏秋冬の気持ち悪さ、等共感できる部分も多く、
楽しく読ませていただいたのですが、
森永みるくのマンガについて、みやきちという方の言い方は乱暴だと思いますが、
私もあのマンガは非常に苦手でした。
百合としてどうの、以前に、心理描写がわざとらしすぎて女子どころか登場人物が人間にすら見えません。
リンクをたどったみやきち氏のサイトに載っていた文に、作者が百合の事を「ありえない、憧れ」と表現していたことで何だか納得がいきました。
確かに創作である以上、必ずしもリアルで、女性同性愛の教科書である必要はありませんが、
実際に同性愛者がこの世界にいるから百合作品も生まれたわけで、
「ありえない」まで言えてしまう人が描いたものが
ああなる、というのは非常に納得です。
百合を「娯楽」だと何度も言われていますが、
娯楽としてしか捕らえていないからこそ
あの気持ち悪さが平気なのかな、等と思ってしまいました。
マーメイドラインについては、リアルを描くなら
現実問題でも同性愛者側に立って戦うべき、とありましたが、
マーメイドラインだってこちらサイトの言葉を借りれば「娯楽」であり楽しんで読む「作品」です。
なぜ「くちびるためいきさくらいろ」は
作者が登場人物を「ありえない、憧れ」として描いていてもOKでマーメイドラインは現実問題で当事者の側に立って戦わなければならないのか?
理解しているかはともかく、金田一蓮十郎の方が、
繊細な作品の心理描写などから判断すると
森永みるくより余程、同性愛者を丁寧に描こうとしている、今理解していないのであれば話し合えば理解してもらえるように感じます。
 
ああいった薄っぺらいマンガ(百合として、以前にマンガとして)のシンパだ、とまで言われると
他のマンガに対する意見も、単に好みに左右されて
もっともらしくあとから理屈を付けてるだけではないのかと邪推してしまいます。
 
長文失礼いたしました。
前半は、作品を理解していないのに書かれた評論が
非常に苦手なのでどうしても言わせていただきたかったのですが、
後半の森永みるくに対しては好みもあると思うので
不愉快だったらすいませんでした。
ただ、マンガとして、百合作品として、
マーメイドラインよりくちびる〜の方が上、
と言われてしまうとやっぱり、いろいろ理屈を述べられていても
単に好みの問題だけのように思うのですが、どうでしょうか。
 
それでは、これからも更新を楽しみにしています。
 
                 にし

関連記事:
「百合」を掲げて「百合」を否定する作品集〜タカハシマコ『乙女ケーキ』
当事者であって「当事者」ではない、みやきち氏の『くちため』バッシングに反論する〜森永みるく『くちびる ためいき さくらいろ』
レズビアンの「痛み」を搾取するなかれ〜金田一蓮十郎『マーメイドライン』

>タカハシマコのマンガについての解釈に誤りがあるのが
>どうにも気になったのでメールしました。

自分と違う解釈を一方的に「間違い」と決めつける独善的な価値観にまず驚きです。何様のつもりですかね。
>マンガ内の時間軸は、「まず一番最初に、主人公があるなんの面識もない少女に恋をし、彼女に近付く手段として、その彼氏を好きでもなんでもないのに利用する為奪った」、という流れになっています。

そんなのは貴方の勝手な解釈です。作者が作品のどこかにそのようなことを明記していたでしょうか?

事実、作品を読み返しても、主人公と彼氏が知り合った件については、

(P121-122)
主人公「まさか同じ高校になるとは思わなかったわ」
彼氏「あ…あいつとは高校も別になっちゃったしさ もう別れてるしとっくに」
主人公「それって私のせい?」
彼氏「あ〜 まあそうかな」

……と会話で述べられているだけで、「彼女に近付く手段として、その彼氏を好きでもなんでもないのに利用する為奪った」というのは、100%貴方の憶測にすぎません。主人公としては「奪った」つもりはなくても、彼氏の方が勝手に主人公に心変わりして「彼女」を捨てたという解釈もできますので。

また、本文中に指摘したように「“彼氏”に比較されたことが原因で、“元カノ”の胸の大きさに嫉妬している。」という件があることからも、「主人公が「恋人」として選んだのは、“元カノ”ではなくあくまでも“彼氏”の方だ。」という解釈の方が、貴方の提示する解釈よりも妥当と判断しておりますので、記述を変更する意志はありません。

っていうか、「彼女に近付く手段」として「その彼氏を好きでもなんでもないのに利用する為奪う」という発想は、「身勝手」とかいう以前にまるっきり支離滅裂で、人物造形として失敗しているんですが。自分の男を奪った女に愛情なんか抱けるはずはないので(貴方が言うように「ノンケ」だというなら尚更)そうした行為には何の必然性もありません。

まぁ、それでも「こういう解釈もできるよ」ていどならまだ聞く耳をもてますが、それをさも絶対的な「事実」であるかのように押し付けられるのは非常にウザいです。赤の他人である俺が貴方と同じ作品解釈をしなければならない理由は何もありませんので。

>>「そして“元カノ”も、
>>主人公の「罠」にあっさり引っかかって
>>誘き寄せられてしまうことからして、
>>いまだに“元彼”への未練を断ち切れずにいる。」
>元カノのほうはノンケなので当たり前です。

だからぁ、

「彼女にとって主人公はたんなる泥棒猫にすぎない。
「友達以上恋人未満」どころか「友達」ですらないのである。

と書いたんですけど?

つーか「あまり丁寧に読まれていないのかと思いますが」と言いつつ他人の文章をロクに読んでいないのは貴方の方では? あげくに「百合物が全て両想いでないといけない」なんて誰も言っていないことにムキになって「反論」されても困ります(^^;

>主人公の元カノに対する感情は、気味が悪く歪んだ物になっていますが、間違いなく恋愛感情です。
>嫌われ、罵られようと近寄ろうとする様は、
>マゾヒスティックでもあります。
>まるでストーカーのようにしか見えない、とおっしゃられていましたが

そういう「異常心理」を表現するにしても、上述した人物造形の失敗によって中途半端な出来に終始していると言っているですけどね。

>異性愛によってなりたった三角関係、とありますが
>この彼氏はそもそも主人公にはカボチャかイモくらいにしか見えておらず、
>恋した少女に近寄る為なら
>そんな男とも平気で寝る恐ろしい主人公に
>いいように利用された哀れな男、という描かれ方がされているため、

主人公と“彼氏”が肉体関係までもっているのに、
主人公の“元カノ”に対する感情はプラトニックなものに終始した、
という対比にも表れている。

……という部分はお読みになりましたでしょうか?

それでもなお「ちっとも異性愛が中心、という風にはなっておりません。」と貴方が感じたのであれば、それは貴方の勝手で俺の知ったことではありません。「納得がいかない」というのはたんなる“意思表示”であって“反論”ではないので。

>そもそも、このマンガのことを正確に読解されていないようだったので
>細かく突っ込むのも野暮かなあと思いましたが、
>批評のような形で書かれている以上、こういった間違いは
>非常に読んでいて痛ましいのでメールを送らせていただきました。
>内容に深くつっこんだ文を書くのであれば、もう少し

そもそも貴方の読解が「正確」だというのは貴方の“自己申告”“自画自賛”にすぎないのですがね(苦笑)酔っ払いの「俺は酔ってない酔ってない」というのと同じで貴方は自分の「見識の深さ」に酔っているのでしょうね。まことに「痛ましい」姿です。

>森永みるくのマンガについて、みやきちという方の言い方は乱暴だと思いますが、
>私もあのマンガは非常に苦手でした。
>百合としてどうの、以前に、心理描写がわざとらしすぎて女子どころか登場人物が人間にすら見えません。

どこを読んでそう感じたという具体的な指摘が一切ないので、それは貴方の「感想」ですよね? そこに論理的根拠はあるのでしょうか? 

それに、私がみやきち氏のレビューを批判したのは、なにも『くちため』の内容に関する部分だけじゃないんですけど? 自分に都合良く論点を矮小化するのはやめようね。

>確かに創作である以上、必ずしもリアルで、女性同性愛の教科書である
>必要はありませんが、
>実際に同性愛者がこの世界にいるから百合作品も生まれたわけで、
>「ありえない」まで言えてしまう人が描いたものが
>ああなる、というのは非常に納得です。
>百合を「娯楽」だと何度も言われていますが、
>娯楽としてしか捕らえていないからこそ

だから「気持ち悪い」と感じるのは貴方の主観でしょ? そうした超個人的な感覚を絶対視して他人に押し付けることの方がよっぽど「気持ち悪い」(^^;

つーか私が百合を「娯楽としてしか捕えていない」というなら、貴方は「何」として捕えているのでしょうか? 漫画が「娯楽」でもなく「教科書」でもないとしたら、いったい「何」なのでしょうか? 

それを提示できない以上、貴方の言っていることはヤクザの因縁と何も変わりません。

>マーメイドラインについては、リアルを描くなら
>現実問題でも同性愛者側に立って戦うべき、とありましたが、
>マーメイドラインだってこちらサイトの言葉を借りれば「娯楽」であり楽しんで読む「作品」です。

たんなる「娯楽」ではなく、現実社会の差別を描くことで読者に問題提起している作品です。裏を返せば、『くちため』と違って「娯楽」としては機能していないため、それに取って代わる価値を作者が提示する必要があるということです。


>なぜ「くちびるためいきさくらいろ」は

何を独りでいきり立ってるんだか知りませんが、

「差別」を肯定するのと「差別の存在」を肯定するのとでは
まったく意味が違う。
『くちため』の場合は(後述する一作品を除いて)
そうした現実が存在することは認めながらも、
それに甘んじることなく愛を貫く少女達の姿を活き活きと描いている。
それこそ、問題提起だけで満足し、
けっきょくは社会的弱者を見世物にする結果にしかなっていない
金田一蓮十郎の『マーメイドライン』に較べたら、
二歩も三歩も先に進んだ作品と言える。

と書いてますけど? ちゃんと読もうね。

>理解しているかはともかく、金田一蓮十郎の方が、
>繊細な作品の心理描写などから判断すると

「今理解していないのであれば話し合えば理解してもらえるように感じます。」という貴方にとって一方的に都合の良い「妄想」を根拠に話をするのは論理として破綻していますね。

>ああいった薄っぺらいマンガ(百合として、以前にマンガとして)のシンパだ、とまで言われると
>他のマンガに対する意見も、単に好みに左右されて

あの〜、「あえて『くちため』シンパの立場から」と書いてあるのが理解できませんか?「本来はシンパではないけれども、みやきち氏のレビューがあんまりにも的外れだから、それを指摘するためにあえて逆の立場に立った」という意味なんですが? 

そもそも『くちため』に対して「ああいった薄っぺらいマンガ」という貴方の評価自体、貴方の「好みに左右された」結果でしかないので、これも論理的正当性はゼロなんですがね。

もちろん、私のに限らずレビューはどこまでいっても主観です。もちろん貴方のもね。だけど、私は少なくとも自分の主張の根拠を提示しています。貴方のようにただ「(自分にとって)気持ち悪い」というだけの理由で「ああいった薄っぺらいマンガ」などとヒステリックに扱き下ろすのは、批評でも何でもないたんなる「誹謗中傷」ですんで。

さらに言えば、貴方はそのような不当な論拠をもって「単に好みに左右されてもっともらしくあとから理屈を付けてるだけではないのかと邪推してしまいます。」などと俺を侮辱していますが、それも明らかに私に対する誹謗中傷です。べつに俺は貴方のオーダーメイドで文章を書いているわけではないので、作品を「丁寧に」読み込んだ結果、貴方と正反対の解釈をすることも当然ありえます。それが許せない、我慢できない、気に食わない、はたまた「非常に苦手」というなら、はなから赤の他人の意見など求めるべきではないでしょう。

世界は貴方を中心に回っているわけではありません。この厳然たる事実を、まずは受け止めることです。

>前半は、作品を理解していないのに書かれた評論が

へぇ。私は主観的な作品解釈を絶対真理の如く押し付けてくる熱血正義君が「非常に苦手」だけどね。


>「後半の森永みるくに対しては好みもあると思うので
>不愉快だったらすいませんでした。
>ただ、マンガとして、百合作品として、
>マーメイドラインよりくちびる〜の方が上、
>と言われてしまうとやっぱり、いろいろ理屈を述べられていても

上にも書いたとおり、私は「マーメイドラインよりくちびる〜の方が上」と判断した根拠を述べています。一方で貴方の場合は、たんに「気持ち悪い」「薄っぺらい」などと何の論理的根拠もない「感想」を他人に押し付けているだけで「理屈」にすらなっておらず、それこそ「単に好みの問題だけ」にしかなっていないのですが。

そうした自己矛盾にすら気付かず、「いろいろ理屈を述べられていても単に好みの問題だけのように思う」のであれば読まれなくて結構です。貴方に批評の書き方について指図を受ける筋合いは毛頭ございません。