一ノ瀬文香イメージDVD『ヒミツノトキ』


 レズビアンのグラビア・アイドル一ノ瀬文香が、週刊誌でのカミング・アウト後に初めて出したイメージDVD『ヒミツノトキ』を観た。ちなみに通算としては9作目に当たる。

 約1時間の本編では、ロリータ系アイドルの高見沢ちぃを相手に、女同士の恋愛模様を描いたドラマ仕立てとなっている。

 劇中において、一ノ瀬が現実どおりのレズビアンなのに対し、実際はノンケという高見沢はバイセクシュアルの役柄で、一ノ瀬の他に男性の恋人もいるという設定が背徳的なムードを作り出す。なお、その「彼氏」はメールの文面でしか登場しない。

 一ノ瀬と高見沢が下着姿で互いにローションを塗りたくり、乳を揉むなど、エロティックなシーンが目を惹く。半裸の一ノ瀬がカメラを前に豊満な肢体をくねらせる「ソロ・パート」もあり。ちなみに一ノ瀬は後に年齢詐称も“カミングアウト”するが、やや崩れた体のラインはたしかに「熟女」の味わいを醸成している。

 ノリノリの一ノ瀬に較べて、高見沢は「彼氏」に対する遠慮があるのか、どこか上の空のようだ。それでも、結果的に高見沢は一ノ瀬を選ぶという“ハッピーエンド”で幕を閉じる。その際にもメールが効果的な小道具として使われている。

 さて、2名のアイドルが百合的な絡みを見せるイメージDVDはけっして珍しくない。それらと較べても本作は、当人が志向しているであろう「レズビアン当事者ならではのリアリティ」といったものが(あるとすればだが)希薄だ。棒アイスをしゃぶるというお決まりの演出もあり、男性異性愛者向けに作られた「従来」のイメージDVDと大差ない印象を受ける。

 ゲイと噂される某映画評論家の書く文章は、ゲイが読めば「わかる」書き方になっているというけれど。本作もレズビアン当事者が観れば、男性異性愛者の私とは違った見方ができるのだろうか。

 なお、約20分の特典映像として、一ノ瀬のコメントの他(高見沢は登場しない)、短いドラマを2本収録している。だが、こちらは一ノ瀬がそれぞれ女医とOLに扮して男性を悩殺するという内容。「従来」の男性異性愛者のファンに向けたサービスということだろうか。レズビアンをカミングアウトしたにも関わらず、依然として“男”を意識し続けるのは「公私混同」をしないプロ意識の表れか、それとも節操がないと見るべきなのか、判断に迷うところではある。

 残りの5分はスライドショーで、70点以上の写真を収録とのこと。